※今回の記事はMicroPolyの性質上少しテクニカルな内容を含みます。不明な点等があれば、ドキュメントなどでおさらいをしていただくことが重要となります。 

MicroPolyについて

ZBrush 2021より、MicroPolyという機能が追加されました。

これは、ダイナミックサブディビジョン(Dynamic Subdivision)の中に追加された項目であり、各ポリゴンの面を指定のポリゴンに置き換えるというものです。

 

左が元のスカート形状となるメッシュで、右がMicroPolyを利用して標準でZBrushに追加されている”Vortex”というMicroPolyを利用した例です。

MicroPolyはこのように各ポリゴン(左)を指定のメッシュ(右)に置き換える機能です。

これらはカスタムで制作が可能となっており、ちょっとした条件を満たす必要があります。

条件と注意事項

MicroPolyをカスタムで作成する条件として、

  1. サブツールの位置(Position)がX,Y,Zそれぞれ0に位置していること。
  2. サイズがユニット”2″であることが条件となります。
  3. Camviewの”顔”が正面を向いた位置が基準となります。

注意事項としては、作成時できる限り無駄な頂点を追加しないようにしましょう。

これはなぜかというと、1ポリゴンそれぞれを指定のメッシュに置き換えるので、例えばVortexの場合、1つのポリゴンが32頂点に置き換わります。すると、計6ポリゴン(8頂点)の立方体をこのVortexで置き換えた場合96頂点となり、サブディビジョンを加えたり、複雑なMicroPolyを作成すると頂点数が膨大になります。

 MicroPoly適用時にZBrushの環境設定で指定されている頂点数の上限を越してしまった場合には、メッシュの一部が表示されなくなります。

これらを踏まえた上で、すごくシンプルな例から作成していきましょう。

ではまず、適当なPolymesh3Dのモデルを配置し、ツール>イニシャライズ>Qグリッドから2×2の平ポリを作成しましょう。

ZModelerを選び、ポリゴンにカーソルを合わせ、インセット(Inset)アクションを選択してみましょう。

次に、ALTキーを押しながら4つのポリゴンに仮ポリグループを割り当て、そのままその範囲にインセットを加えましょう。

インセット中にALTキーを押すとこのように見やすいようなポリグループの色を新規で割り当てることが可能です。

次に、ツール(Tool)>ジオメトリ(Geometry)>XYZ Sizeが2であることを確認。

位置(Position)はサブツールを移動させていない限りは0となっているのでこれで条件を満たしました。

では次に、Ring3Dで作成したMicroPolyを試してみましょう。Ring3D選択し、ポリメッシュ3D化を行います。

次に、ダイナミックサブディビジョン(Dynamic Subdivision)の項目を開き、スムースサブディビ(Smooth Subdiv)を0にし、MicroPolyを有効にします。

通常、”MicroPolyオン(MicroPoly On)”をクリックすると、プリセットであるMicroPolyのメニューが開かれます。

ですが、CTRLキーを押しながら”MicroPolyオン(MicroPoly On)”のボタンをクリックすると、現在ZBrushに読み込まれているツールの一覧が表示されます。

ここから先ほどインセットを施した平ポリを選んでみましょう。

すると、土台となったRing3Dのそれぞれのポリゴンが置き換えられ、インセットが施された状態のメッシュになりました。

ダイナミックサブディビジョン(Dynamic Subdivision)の横にあるボタンの”適用(Apply)”をクリックすると、Ring3Dのメッシュから現在表示されているメッシュで確定されます。

現在は適用をしないでおきましょう。

では、元のインセットを施したツールに戻り、内側のポリゴンを選択し、ZModelerのQMeshに切り替え、Shiftキーを押しながら押し出してみましょう。

するとこのように”台形”のように押し出されたモデルが出来上がりました。

変更した内容を再度、Ring3Dに適用してみましょう。

Ring3Dに戻り、ダイナミックサブディビジョンのMicroPolyオン(MicroPoly On)をCTRLキーを押しながら再度クリックしましょう。

すると、下の画像のようなメッシュとなり、それぞれの面にでっぱりが付いたメッシュに置き換わりました。

基本操作がこれでわかったと思います。

以降は、作成方法の解説を省略し、どのようなメッシュを指定したらどんな結果が得られるかを紹介したいと思います。

このように上面と底面の無い円柱を用意し、MicroPolyとして指定してみましょう。

先ほどと同様に、CTRLキーを押しながらMicroPolyオンをクリックし、制作した円柱を選択しましょう。

すると、ポリゴンの向きの”縦方向”のみが繋がった状態となり、それぞれの面が”円柱”に置き換わりました。

ちょっと複雑な鎖形状を作りたい場合にはこのように輪を組み合わせ、各ポリゴンから置き換えた際に上下左右でつながるように外側の輪が開かれた状態になるようにしましょう。

左のままではうまくつながらないため、右側のような形状で作る必要があります。

このMicroPolyを指定すると、Ring3Dがこのように置き換わります。

鎖帷子などの複雑な形状を作成する際に便利になります。ダイナミックサブディビジョン適用後、自動ポリグループ(Auto Groups)を利用すると輪自体のメッシュはそれぞれ分かれているので、輪一つ一つに別のポリグループを割り当て、管理が容易にもなります。

次回起動時にも利用できるように

作成したMicroPolyはZTLファイルで保存し、ZBrushのインストールされているフォルダー内の”ZMicroPoly”ディレクトリに入れることで、次回起動した際にも利用が可能となります。

 

プリセットのMicroPolyを読み込む

また、MicroPolyオンをクリックし、プリセットの一覧を開いた状態で閲覧したいMicroPolyをALTキーを押しながらクリックすることで、指定したMicroPolyを新規ツールとして読み込むことが可能です。

 

MicroPolyにバリエーションを追加する

MicroPolyは一つのツールから8つのサブツールをバリエーションとして含めることができます。

登録時の条件としては、同一のトポロジーである必要があります。

バリエーションはランダムでモデルに割り当てられます。

MicroPolyでポリペイントを利用する方法

MicroPolyにグレースケールのポリペイントを施した状態でMicroPolyに登録すると、ダイナミックサブディビジョンで適用後、サブツールからポリペイントを乗せることでMicroPolyに登録されているグレースケール情報がサブツールのポリペイントに”乗算”されます。これにより、布の染めムラのような表現が可能です。プリセットの”Weave01Color”が参考となることでしょう。

左が”Weave01″で白黒情報を含まないMicroPoly。

右が”Weave01Color”で、色情報を含めたMicroPolyです。

micropoly_paint
micropoly_paint

一部プリセットには複雑な構造のMicroPolyもあるので、参考となることでしょう。

独自のMicroPolyを作成し、配布することも一興だと思います。

解説は以上となります。Happy ZBrushing!

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