今回は、ZBrush内でトゥーン的なレンダリングを行うNPRマテリアルの設定方法を紹介したいと思います。

いつものようにZBrushを起動して、ライトボックスを開きましょう。

NPRマテリアルとは 非写実的 = “N”on  “P”hoto “R”ealistic の頭文字をとったものとなっています。

 

“クエイク”モデルの読み込み

ライトボックスを開いたら、キャラクターモデルを読み込みたいので、Demo Projectsの中に非常によく使用されるモデルがあるので、まず、Demo Projectsを開きます。

次に、Demo Projectsフォルダ内に存在するKotelnikoff Earthquake.ZPRのファイルを読み込みましょう。

マテリアルの上書き

これでZBrush内で”クエイクさん”の愛称で呼ばれるモデルが読み込まれました。

こちらのモデルにはデフォルトでマテリアルが割り当てられているので、Basicマテリアルで上書きします。

サブツールが複数に分かれているので、一括でマテリアルを上書きするZプラグインのサブツールマスターを利用しましょう。

まず、マテリアルパレットを開き、 Standard Material の項目内に存在するBasic Materialをクリックしましょう。これでマテリアルパレット内にマテリアルが選択されていますが、モデルにすでにマテリアルが割り当てられているので上書きする必要があります。

Zプラグインを開き、サブツールマスター内に存在する”塗りつぶし”の項目をクリックしましょう。

この項目は、ポリペイント、マテリアル、ポリペイントとマテリアルを現在表示されているモデルに上書きするアクションとなっています。

今回は現在選択しているマテリアル情報のみの上書きをしたいので、ポップアップで表示される中央の”Material”を選択しましょう。

すると、モデルの表示が変わり、現在選択しているBasic Materialに上書きされました。

マテリアルの調整

次にマテリアルの調整を行います。
Basic Materialのデフォルト値のままだと肌の発色が悪いので、アンビエントの数値を調整して、マテリアルの表示を明るくします。

アンビエントはおそらく60くらいで大丈夫でしょう。

このような結果となりました。肌の発色が良くなりましたね。

次にディフューズカーブの項目をクリックすると、このようにカーブの調整項目が表示されます。

少しマテリアルの項目を変更しながらモデルを確認するのがしづらくなったので、左側へドッキングしてみましょう。

次に、ディフューズカーブ内の”強度”の数値を1にすると、このようにカーブが垂直になります。

これはディフューズの表示を一定の値で真っ二つに分けているという設定となります。

クエイクさんの影を見てみると先ほどまでの表示に比べて非常にくっきりしていることがわかります。

次に、ステップの数値を2にしてみると、このようにカーブが階段状になり、影が2段階に分かれました。

イラストなどでは、1影、2影というように、このように、ZBrushの表示上でも影を階段状にコントロールできます。

次に、焦点移動の数値を調整すると、カーブが水平方向に動き、この影が適用される位置を調整できます。
焦点移動 : -40程度にしてみましょう。

次にマテリアルの「光沢」としてハイライト部分を調整するスペキュラーを0にします。

こちらもお好みに合わせてディフューズ同様に階段状にし、ハイライトの位置も調整できるので、チャレンジしたい方はどうぞ!

一度BPRレンダリングをクリックすると、このようにレンダリングされました。

あとは、モデルに輪郭線を表示したいので、マテリアル>ミキサーの項目を開いてみると、輪郭線強度という項目があります。

こちらの数値を0.5程度にし、深度を4にしてみましょう。

輪郭線強度 : 輪郭線の表示の強さをコントロールします。

深度 : モデルに対して、どの部位まで輪郭線を表示するかをコントロールします。

なんとなくですが、モデルに輪郭線が追加されています。

これはマテリアル側に保存される設定ですので、BPRレンダリング抜きで、リアルタイムでも表示される輪郭線となっています。

BPRレンダリングを試しに行ってみるとこのように輪郭線が強調されました。凛々しいですね。

ライトやレンダリング設定の調整

好みでライトパレットから新規でライトの追加や、ライトの強度/位置を調整してみましょう。

全く同じ位置で2つのライトが有効になっている場合にはあまり意味がないので、顔の正面に位置するように最初のライトを置いたら、2つ目のライトは左頬に当たるようにと、光を補いあう形で配置します。

次に、レンダーパレット内の設定を調整してみましょう。レンダー>レンダー設定を開くと、SSSやWAXプレビュー有効となっているため、一度オフにしてみます。

また、レンダー>BPR影設定>グローバル影強度がデフォルトでは1となっているので、0.4程度にすることで、全体の影の濃度が調整できます。

これで大体の設定が終わりました。もしわかりにくい場合には色抜きで、影がどのような表示にされているかを確認することをおすすめします。

サブツールの筆アイコンにカーソルを合わせてSHIFTキーを押しながらクリックすると一括でポリペイントをオフにできます。

輪郭線が薄い場合には、マテリアル>ミキサー>輪郭線強度を変更してみましょう。

これであとはレンダリングをクリックしてあげれば、NPR調のクエイクさんのレンダリングが出来上がりです。

このマテリアルは使いまわし可能なので、マテリアル>保存からフォルダーを指定して、保存できます。

レンダリングの設定は別途レンダー>保存で保存できます。

彫りの浅めのキャラクター等で利用するには

マテリアルとレンダリング設定を使いまわす上で、たまに問題となるのが影の位置が意図した形に配置されないという点です。

それは、クエイクさんのような彫りの深いモデルには有効なマテリアルであっても、例えばもう彫りの浅いキャラクターにちょっとした工夫が必要となります。

こちらは現在ZBrushLiveでイラストレーターの@raika9様のイラストを元に制作中のモデルとなるのですが、同じマテリアルを利用すると、このような状態となり、全体が白くとんでいることがわかります。

ライトの強度を調整し、必要に応じてマテリアル>アンビエントの数値なども調整してみましょう。

次に影の位置をディフューズカーブの焦点移動で調整してみます。少しずつずれていくことがわかると思います。

これで、顔に乗っていた影位置を微調整できました。特に口と目の周りの影はキャラクターの印象を決める部位となるので、モデルごとの微調整が必要です。

ライトの位置も微調整し、首の下に影が来るようにセカンダリライトを配置します。

このような結果となりました。

他にも、レンダー>レンダー設定>影とAOの色を調整してあげると、影の色を微調整できるようになります。

これで若干青が乗った影になっています。

あとはドキュメント>エクスポートで書き出しをすることで1枚の画像として書き出すか、レンダー>レンダーパスよりそれぞれのパスをダブルクリックで書き出し、Photoshopなどでコンポジットができるようになっています。

少し長めの記事とはなりましたが、ぜひお試しください 🙂

Share This