今年多くの人に話題としてあげられる映画の一つの主役として、足の早い青いCGのハリネズミが挙げられます。主にこのソニック・ザ・ムービーの映画について話される内容は、去年初めてトレイラーとして公開された時の元のキャラクターデザインについてです。このゲーム界におけるアイコンともいえるキャラクターが90年代のノスタルジアを彷彿とさせることに失敗しただけではなく、不気味ともいえ、映画へのファンの期待に応えることができませんでした。

パラマウントはファンの要望に応え、映画の公開日を遅らせ、インターネット中でファンが求めていたように、完全にソニックのデザインをオーバーホールしました。私たちは、新しくよりよくなったソニックを作る手助けをしたMPCのキャラクターモデラーの一人であるAlin Bolcas氏とお話する機会があり、彼はこのように述べています。

お話する機会をいただきありがとうございます。自己紹介と、ソニックプロジェクトでの役割について解説をいただけますか?

私は、キャラクターアーティストで主にモデリングと顔の表情(フェイシャル・エクスプレッション)を専門としています。数年前にプロフェッショナルのキャリアを始めたばかりで、イギリスのボーンマス大学のコンピューターアニメーションコースを卒業し、MPCロンドンでモデラーとして雇われました。私はコンセプトスカルプト、モデリングと、顔の形状をリ・デザイン版のソニックで担当しました。

どのようにして映画に関わるようになったのでしょうか?そして、制作をする上でどのような課題がありましたか?

リ・デザインの話がバズっていたときには、私は別の番組に関わっていました。同じ日に、私はデザイン責任者(Head of Design)とミーティングを開き、単純に前回のソニックのモデルを、出来立てのペイントオーバーを参考に、オリジナルゲームでのデザインに近づけるようにという課題を託されました。私はこの機会が与えられたことを非常に幸運だと感じています―おそらく理由の一つは、私の個人製作がデフォルメを多く取り入れており、私の情熱と、プロフェッショナルでの経験が上手くギャップをつなぎ合わせてくれたからだと思います。

なぜソニックのキャラクターのリ・デザインが必要だったのでしょうか?新しいバージョンのゴールはどのようなものでしたか?

私の把握している内容は、彼のリ・デザインはファンが求めていたからということです。最終的なゴールは、批判の反対側に走って着地し、よりキュートで皆が好きになるような魅力を持たせることでした。私は、最初のデザインについて決して反対はしていませんでした。最初のデザインは単純によりリアルな世界にいたのですが、観客が求めていた結果とはかけ離れていて、マイナス評価につながったのだと思います。

制作をする上で、最大の課題はどのようなものでしたか?時間制限などはありましたか?

本来事の重大性から、最初の数日間が本来最もつらい時期だったとは思うのですが、突然の話であったこともあり、気づいた頃には安全圏に達していたように感じます。できる限りの力を注ぐことに専念していたので、幸いあまり他のことを考えている時間がありませんでした。本格的な課題は、そのあとにやってきた顔の形状をスカルプトするという点です。これはクライアントが求める見た目的な内容と、アニメーターがしばらく求め続けていた安定性のあるリグとの楽しいバランス運動のようなものです。時間的なプレッシャーはあまり感じてはいないものの、なるべく早く完成させる必要があることは理解していました。
むしろ、課題の緊急性が私にプラスに働き、より密に作品に接し、より多くのことが学べました。

ZBrushは製作工程で利用しましたか?もし、そうであれば、どのように役立ちましたか?

はい、元のソニックのトポロジー*やUV*をできる限り維持しながら、素早くプロポーションを変え、調整を繰り返していくという重要な役割を果たしました。その後、ハイポリのディテールを彫りこんでディスプレイスメントなどを作成しましたが、それらに合わせて素早く往復ができるZリメッシャー*や、スマート再シンメトリ*などを多用しました。

 

※トポロジー=モデルを構成する要素。頂点数などが変動してしまうと割り当てていた情報などが失われてしまうため、この場合維持をする場面があった。
※UV =画像をモデル上に貼るための座標。頂点数が変動すると崩れてしまう。
※Zリメッシャー = 自動的にポリゴンをきれいに貼り直す機能です。
※スマート再シンメトリ = 左右対称でないモデルを左右対称になるように調整する機能です。

キャラクターのリ・デザインの反応はいかがでしたか?

素晴らしかったです!

正直、あまり自分の作品を振り返るのは好きではないのですが、多くの人に見ていただき、楽しんでいただけたことは喜ばしく思います!

ZBrushをあなたのパイプラインに追加し、ソニックのようなディテールを追い求め、今日からZBrushを始めてみませんか?

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